浄化から再生まで

 写真でゴールデンウィークの日々をなぞる。

  • 4/29 綺麗な満月の夜だった。何億光年と離れても、いつもより近くに感じるその光を浴び、浄化される。ここには宇宙という遠い空間を例えたあらゆる表現が、音や言葉を通して幾千幾億もの存在する。しかし、それらは飽くまでも地球に住む人間からの視点に過ぎない。訪れた事の無い世界。訪れてみればそれは人々のそれらを想像を遥かに超えるものなのかもしれない。計り知れない無とはどんな心地なのだろう。そこではどんな音が鳴り、どんな言葉があるのだろう。無限に広がる宇宙から見れば、きっと地球はあまりにも小さい、そこで生きる人間はもっと小さい。だから、どんなに些細な事もどうでもよくなってゆく。それでも、私もまた、ここにぽつりと佇んでいるだけの人間でしかない。ただ、想像力の欠如だけが私の恐怖。そんなことを考えながらも、至って暢気な日々を過ごしてく。頂いた讃岐うどんを食し、得体の知れないスイカサイダーを飲んだ。バスボムが自分で作れる事を知り、作ってみたところ、思いのほか大量に出来てしまった。

  • 5/1 モスキートにてDJの日。自分の好きな曲に反応を頂けるという至情の楽しさを知った。最高のバックアップをしてくれた主宰の添田yと大西さんに感謝を。この日はひたすらにDJワカタケとTG三浦さんのラフな快楽主義に完全に持ってかれた。辺り一面ディスコと化す。ライドオンタイムで大騒ぎの夜。淡々と過ごした四月分の笑いを1日で補った気がした。自家製のバスボムを皆にお裾分けしたところ、思いのほか喜んでくれた。ありがとうございました。



  • 5/2 踊り疲れた明朝の帰り道。通り抜けたある空き地に、ふきのとうが芽出ししていた。それを見て、春がここに来たことを知る。その空き地には、かつて親戚家族が住んでいた家があったが、一昨年、老朽化に伴い引っ越しを強いられ、家は取り壊されてしまった。それから現在、親戚家族はそこから近い場所に居を構えたが、一昨年の取り壊しの日のことを私は今もよく覚えている。ふとそこを通りかかると、親戚の叔母とその孫の男の子が手をつないで、かつての彼らの家が壊される瞬間をぼんやりと見つめていた。二人の背中が寂しさを語っている気がして、わたし声をかける事も出来なかった。そっと、その場を立ち去った。しかし、かつてそこにあった風景も、いつかまた、そこに違う何かが生まれることで、新たな風景となってゆくのでしょう。再生と構築。いま、ひっそりと芽を出したふきのとうに、生命の息吹を感じた。家に帰り、泥のように眠ったあと。夜にT子から電話、ほのぼのとしたバンドを結成した。

  • 5/3 自家製のバスボムが思いのほか好評だったので、明日の為に再び作る。こないだは材料が足りず作れなかった焼きドーナツも、ドーナツマシーン及びドーナツ魔神をフル稼働して用意した。

  • 5/4 カジノにてクラウディ企画を観に行く。TGもキレが良く、アナザーに気迫を感じ、ディープスローターで血が騒いで汗をかき、アイエに胸が騒ぎ、クラウディでバッチリ〆る、素晴らしい企画だった。焼きドーナツとバスボムを皆に振る舞った、余るかもしれないと思っていたが、却って足りないくらいで何より。打ち上げ後、TGとカラオケに行く。目一杯はしゃいで、1日を楽しく過ごした。



  • 5/5-7 風邪をひく。熱に浮かされほぼ、記憶なし。
  • 5/8 昨晩まで38度近くまであった体温をきちんと平熱に戻した朝。我ながら意地を感じた。出来たてほやほやの病み上がりで、モスキートでのTG企画へ行った。待望のスネアキルズ、最高だった。ギブギブ氏と5年越しに会ってお話が出来た。テストマスタードディスコのデモをディストロで扱ってから、現在スネアキルズとして北海道に来てくれたことは、本当に嬉しく「続けていくこと」の意義を感じた。ありがとうございました。現編成ではじめて観れたROは心地の好い夕並遊泳。同じく3人になって初のティーンズも素晴らしく、ぐんぐんと力が漲っていく感じ。カラーミーは今回も壮絶な抱腹絶倒だった。旭川勢のTG、アナザー、クラウディも攻めのライブ。この日も素晴らしい企画だった。打ち上げ後、アナザーTKGのクリエイティブなシェアハウスにて皆で飲み明かす。亀のフミヤが可愛かった。






  • 5/9 眠らずに正午をむかえて帰宅。玄関口に蒲公英が咲いていた。ようやく風があたたかくなり春も到着したところで、非常に濃いゴールデンウィークが過ぎていった、風邪という痕跡をのこして。