光について

 怒濤のように濃い5月だった。写真と共に5月の企画前までのことを。

  • 5/2  休日の夕方、外へ出ると警察手帳を片手にした刑事さんに「このあたりでノボリを持って走っている人を見かけませんでしたか」と尋ねられる。事情を聞くところ、近所のホットモットのノボリを持った人が逃走中と刑事さんは言う。私は、見かけませんでした、と返答する。
  • 5/3 日中、用事足しに自転車を走らせると今日がいい1日になる予感しかしなかった。心待ちにしていた、モスキートでのベネフィットDVD撮影ライブ。TG.Atlas、札幌からnothing,nothing,nothing!とTheSun、そしてBLACK FILM DANCE…! BFDの音源を手にしたときから今に至るまで、現在進行形で何度も聴いてライブが観たかった、と思い続けること数年余り。まさか旭川で復活しこの目でライブを観れる日がくるなんて…。セットはjohn's LPから「Nature」と「i'm waltz」の2曲。編成は、vo.ヒグさん guiter&synth近田さん、bassイサイさん、guiterトモさん、dr.ミウミウミウミウは驚きの大抜擢にかつてないまでに緊張していた。その後に続くTGはこの日に向けた気合いが伝わって来たし、印象的なライブでした。ナナナは観れば観るほど痺れる、モスキートでライブが観れたのがとても嬉しかった。最後のサンは最高の開放感に満ち溢れていた。涙出そうなくらい圧倒的な存在感。ハードコアが好きで良かった、という感情が込み上げてくる瞬間ってたまにあるのだけど、この日はその想いの集結でした。DVDのリリースも楽しみです。打ち上げまで終始、楽しい1日でした。ありがとうございました。
  • 5/4 翌日はカジノへ。この日は札幌のWALKが出演、彼らとは前日入りしてモスキートでも会えたのだけど、ライブを観に行きました。最初はnobody celebrates my birthdayという、旭川で突然変異的に誕生した弱冠17歳の少年たち2人がやっているバンド。前々から大西さんなどから話題は聞いてたし彼らとも直接話したこともあるけれど、ようやくはじめてライブを観た。衝動に溢れてていい感じ。ライブ見終えた後に月末に迫ったナノディストロ企画への出演交渉し決定。そしてWALKもメンバー4人の個性とグルーブ感が滲み出てて良いライブでした。ラスト1曲「映意」でアナザーのタイチロウとキジのジンチ君をゲストに含めた6人編成WALK、非常にカッコよかった。




  • 5/5 ゴールデンウィーク最終日、携帯電話を2個持ちする運びとなる。
  • 5/8 つっかの家に遊びに行く、ということがこれから先ありふれた出来事になり過ぎて、そのうち日記に一々書かなくなることでしょう。再び訪れると引っ越し初日よりも生活感に溢れて驚いた。お父さんから譲り受けたという大量のレコード。のちに、旭川プログレ館と化す。毎回8時間かけて旭川に来ていた子が徒歩20分も満たないところに住んでいる、今更ながら改めてなんだかふしぎに思う。


  • 5/12- 5月だというのにまだ肌寒いなかでも春の息吹を少しずつ感じはじめる、この街にもいよいよ桜が咲いた。春になれば、いろいろな事を思い出す。もう二度と遭うことが出来ない面影。桜の到来を待たずに去っていったもの、桜と時を同じくして散っていったもの。それでも私達は生きている。5/28のナノディストロの企画名は「散る満ちる」と名付けた。いくつか候補はありましたが、仄かに希望のある名前、日本語のタイトルが良かったこと、ここの日記と連動していること、そして何よりも時期的に桜が散る時期ということが散る満ちるの決め手となった。桜が散ったとしても満ちていくもの。私なりの希望のイメージで。





  • 5/21-22 散る満ちるの1週間前。21日はpowwow、KILL-O-WHAT遠藤さんの追悼ライブ、22日は札幌のサンクスのライブをどちらもモスキートで。遠藤さんの追悼ライブは総勢10バンドという長丁場企画。私自身が旭川のライブハウスに通うようになった頃に背中を押してくれた先輩達の姿がモスキートに集っていた。遠藤さんの人徳ですね。カタチを変えても変わらなくても継続している人達もいれば、懐かしい人達もいた。継続するということは簡単なようで容易なことではない。サンクスも旭川で観れたのはこれで何度目でしょう、いつ観てもカッコよく、気持ちが燃え上がるのでした。企画を目前に控えれば楽しみと不安で気持ちが支配されがちだが、このまま家にこもってもいけないのだと思い、なるべく外へ出るようにしたが、この2日間には多大な力を頂いた。行ってよかった。
  • 5/12-25 先月から寄せ書きを募ったdistrojp被災地への祈念ファンジンの挿絵、表紙、裏表紙の制作開始。写真はその一部ですが、表紙も含めて計7枚の絵を描いた。夜な夜な絵を描きながら深く人と向き合うような感覚ははじめてだった。編集してくれた苔口君からはありがたいことに指定やテーマなどはなく好きなように描かせて頂いたのだけど、自分の中では今回の制作にはいくつかの取り決めをした。まずは希望を描こう、ということ。皆様からの言葉を主役にすること。あとは手に取った方々の痛みを連想させてはいけないこと。そうすると描きたくなったのはシンプルな人間の姿でした。画材は今回も手芸糸を使ったほかに、包帯、絆創膏、布を千切って用いた、癒すという意味を込めて。よく考えると私はいままで暗い絵を描いてたんだなとも感じたが、今まで描いた中では個人的にはおそらく明るい絵を描けた気がしました。すべては完成品でご覧頂けたらと思います。


  • 5/26 仕事終わり、はるばる今回の企画を観に来てくれた東京のりょちんが旭川に到着したという一報を受け、宿泊先のつっかの家まで会いに行く。りょちんと久々の再会。途中までアナザーのかずきも交え、朝がくるまでたくさんの話をした。散る満ちるまで、あと2日。