崖のうえからエアーボーン

 暦のうえでは春だけど、春の兆しはまだまだずっと遠い先。寧ろここ最近にかけて更にぐんと寒くなった。日に日に下回り続けてく氷点下。しっかり着込んだコートすらちっぽけで、頼りなくて、凍てついた風が容赦なく頬を刺したとき、ああ2月だな、と痛感する。大きな冬をみつける。
 どうしようもなく、他のなにもかも見えなくなるほど単純で、どうすればいいのかも判んない臆病者で。何かにつけてすぐ怖気づいてしまう。未来の希望を願うばかりで、一歩もなかなか踏み出せないでいるのは、これからの変化が怖いの?いまを失いたくないの?プライド?そんなもの最初から私にはないんじゃない?私は一体何を守ろうとしているの?恐れるあまりに動かないでいたら、わたし、いつまで経ってもこのままだ…。掴みたくてしょうがないのに、届かないままなんて、そんなのはいや。いつまでもこのままじゃ、心が凍えて、切なくって身が持たないって、気付いた、気が付いてしまった。
 まるで、子どもがふらふらと初めておつかいに行くように、小さな勇気を握りしめて、ほんの少しだけでも動いてみることにした。僅かな一歩に過ぎないけど。端からみればきっと笑われちゃうくらい本当にちっぽけだけど、私にとっては大冒険。あとになって後悔するかもしれない、けれど、何も出来なかったことで後悔だけはしたくないの。だから、そのあと、ああ動いてよかった、よかったなって。心の底から、そう思えた。
 何かを築き上げていくのは、ひとつひとつが、とても容易な事じゃないね。
 甘くはないの。
 あれから、困りものの微熱は下がり、平熱に戻った。時を取り戻しながら、旅の準備を進めている毎日。13日はM夫妻の結婚パーティ。二人にとっての大きな日のために、ささやかな花を添えられるように。花を生けるように、ことばを練りあげている。ドキドキトウキョウ、ワクワク23区、ウキウキ滞在記。まで、あと1週間をきった。なんとなくだけど、東京のことを考えるとき、JagaJazzistを聴くとなんとなく落ち着く、エアーボーンが好き。私が思い描く空の旅って、きっとこんなイメージ。昨日のポニョで、3箇所号泣した。ポニョの気持ちに共感しすぎて…。?
 素晴らしい旅になりそうな予感。いろいろ、楽しみだよね。