赤裸

 先週末はコーマ初練。と、3日間に及ぶ合宿的な新年昏睡親睦会。練習は形成にはまだ程遠いが手応えは十分、といった案配。面白い感じにはなりそうです。もし、共同制作を重ねるにあたって必要となる芯のようなものがあるとするならば、あらゆる価値観に対し、これはアリ、を重視するよりも、これはナシ、の軸を合わせる方が幾分やりやすいのかもしれないな、という雑感。消去法ともいうべきか、例えば、アリで軸を合わせてみたとしても、それはそれで充実感はあると思うが、想像力や視野が狭まってしまう。多分これ音楽に限らずあらゆる物事に言えるのかもしれないけれど。何よりも、腹を割って腹を括ることが出来る人と音を鳴らすことは大事だし、幸せなことなのかもしれないね。結局、何が言いたいのかといいますと、そういう意味で今回も私に適したバンドメンバーに恵まれたんじゃないかな、ということです。とは言え、まさか初日からいきなりカラオケに行くとは思いもしなかったけど。カラオケも練習後の飲みも楽しかったし、実に、じつに、赤裸々な3日間でありました。セキララ、なんだか小気味が好いことばだね、星空が瞬くような響きだね。
 それから、いまの今まで微熱が治まらない。微熱も数日続けば単に平熱の記録更新になりうるのだろうか。若干はしゃぎ過ぎて身体がご機嫌ナナメになったのでしょう。癇癪を静観したところで、どうにもこうにもならないので、近いうちにお医者さん。
 凍てついた冬の常磐。凍てついた冬のときは、最終日に駆け込みで再度、アロイーズ展へ。最初行った時とはまたひと味違った視界が緩やかに広がっていった気がした。もういちどアロイーズの世界に触れることが出来てよかった。
 先日、楽しみにしていた一通の便りが私のもとに届いた。素晴らしい日のお招きに心を躍らせた矢先の、まさかの大抜擢に驚いた。何よりも、こんな私を選んでくれた二人の気持ちが何事も代え難くて心底から有り難いことだと思う。日頃の感謝のキモチを伝える貴重な機会を与えてくれた事への感謝を。素晴らしい日になるように、僅かながらであっても力添えが出来るように、全力で最善を尽くそう。そのために、公的な言葉を頭の中で考え駆け巡らせている今日このごろ。というわけで、来月は2010年最初の東京へ。潜伏期間は2月12日から15日まで、詳細はまた後程に。今回も、素晴らしい旅となりますように。また、会いましょう。来月のことを考えだすといつよりも鼓動が速まってしまうのは、ただ闇雲に緊張してるだけではないのです。楽しみで嬉しくて、仕方がないのです。
 この街はいまも、日を重ねる毎に雪がしんしんと降り積もってる。ここ最近にかけて、いっそう冷え込んできた。痺れていくように凍えた空気が頬をつたえば一月であることを体感させる。そういえば、雪のない冬に降り立つのははじめてだ。一体どんな感じなのだろう。この街の冬は寒すぎて憎たらしくもあるが、少しだけ夜空が明るくなるから愛おしい。瞬く星空の下、少しだけ近所を走ってみる。ふと見上げたら、星が綺麗で、涙が出た。
 涙が溢れて、零れ落ちて、凍っていった。
 よく、わからなくなった。いつからか、見失ってしまった。私はここで何を守り通そうとしてきたのだろう。私はここで一体何を築き上げてきたのだろう。何もかもがお見通しで、何もかもが欲にまみれて、私はもう、なんだかとっても草臥れてしまった。本当はちっとも必要とされていないことなんて判っていながら、居場所だと信じて、希望を持っていた自分が愚かだったとしか言い様もなく、自分自身に呆れている、心の底から、呆れ果てている。まだ東京に行ってもいないのに、早くも帰りたくないと思う自分がいる。ここで吸える酸素はもう薄いのだろう、だんだん、息が詰まってく。希望や信頼の意味もとうに崩れ落ちて、うまく見出すことができない、逃げ出したい、私は何故ここにいるのか、わからない、わからない…。
 いつまでも精神的にパンクであり続けたいと思うけど、履き違えて人を平気で見下す人になんて私はなりたくない。もっと大事な事があるだろう。例えば、嘘をつかないこと。大切な人や気持ちを大切にすること。思いやることを思うこと。感謝を忘れないこと。一度辛酸を舐めた過ちを二度と繰り返さないこと。そして、忘れないこと。それは、どんな些細な事であろうとも、それぞれに課せられた責任と置き換えられる。では、それぞれの責任とは一体何なのか、それは私には知る由もない。自分で考えた方がきっと早いと思う。私は私の責任を果たすだけで精一杯。
 どいつもこいつも、わからないことだらけ。耳鳴りがやけに酷いから眠ります。37.5度をキープし続ける体温を下げる策を考えながら眠ります。