儚きものは

 2008年初夏、大道芸人 ギリヤーク尼崎 青空舞踏公演 於:旭川三番館前。


 この季節になると、毎年ギリヤークさんがこの街の空の下で舞う。私は毎年、操られていくようにその場所に足を運ぶ。その瞬間をこの目で見る様になって、今年で3年目の夏が来た。私がギリヤークさんの踊りを初めて見たときの衝撃は今でも忘れられない。鬼気に満ちる、平和の願い、鎮魂の祈り、懐古する思い、快哉の叫び。そのどれもが、彼の愛であり、彼の踊りに秘められている力だ。その愉快で恐ろしい踊りを見ていると、魂がスッとして、鬼にでもとり憑かれる様な感覚に駆られる。今回も、円陣から抜けだし、冷水を浴びるラスト「念仏じょんがら」にただただ圧巻されてしまった。ご本人は今年で78歳という身でありながら、その気迫は衝撃を通り越した怖さを感じてしまう。そのすべて。私は、彼が踊り続けるまでその瞬間を見ていたい。

ギリヤーク尼ヶ崎-wikipedia