転倒、疎通の遮断、無響と暗転

 自宅の前で転ぶ様は何て一層に間抜けに感じるんだかな。ただ転んだだけに過ぎない。腕時計が壊れて腕をほんの少し傷を作ったけども、まあ直せそうだし治るでしょ。別にどうってことでもなく。いま札幌じゃあ人体の不思議展の真っ只中で結構興味あるんだけど、治癒力こそなかなかの人体の不思議に思えてくるんだがどうか。
 あーーー。で、またひとつ週が終わった。またひとつ月が明けた。だけども、どうにもこうにも空っぽだ。空虚だ、空白だ。空白なのに灰色の。なんにも無い。なんなんだかよくわからないけど、妙に草臥れてしまった。草臥れた。なんにもない生温いジェルの水中をずっと泳いでる、みたいに不快な気分。まあ別にどうだっていいさ。そういう日もある。転んだときにくだらない何かを落としたんじゃないの。さてなんだろうね。まあ、今だけはとりあえずなんにも考えたくない。考えない。
 ほんの少しでいい、呼吸を整えたい。進みたいから、壊したいから、変えてみたいから。そしてそれをやりたいから。