生殺シの2月(泳ぐ)

 2月は軽々しく逃げるわけでもないらしい、私には延々モタりながら過ぎていく気がする。いつの間にかヒヨドリはどこかへ行ってしまった。貧血気味でボンヤリとしてばかり。息切れする。酸素はこんなに近くにいるのに。
 ボンヤリしているとふと遊泳欲が出てくる。貧血が治まったら久しぶりに泳ぎに行きたいものだ。真冬だろうが泳ぐのは好きだ。一心無心でいられる。けれども秋頃にプールに行った時、わかってはいたけど昔よりも体力が落ちたということを打ち付けられ思うように長く泳げず、凄くショックだった(同時に風邪もひいた)。私は水泳以外の運動は酷いくらい出来ないので、レベルは低いが少なくとも出来ると自負してるものが思うように出来ないと、軽い絶望を感じるのだとそのとき実感した。だが、それ以降泳ぐことがもっと恋しくなった。とにかく水中に潜りたくて仕方ない。
 この前映画の「砂の女」(asin:B000060NCX)を見た。小説では昔に読んだことはあったが映画は初見だった。岸田今日子が艶めかしすぎる。そうか、もうこの世にいないのかと思ったら凄く悲しくなった。もっと早く見るべきだった。R.I.P。見た後に五感が冴えるような作品は好きだと思う。例えばヤンシュバンクマイエルの作品とかも見終えると聴覚が冴えて擬音に敏感になったりする。砂の女は見終えると妙に湿っぽさに敏感になる。
 本当は「砂の女」も含め最近いろいろと読んだ本や見た映画のことを書きたかったんだった。たくさんあるので次回まとめて書くことにする。今はだるい。