海底にて、かつて去った記憶の肉片をなぞる一夜千夜

 数日体調を崩した挙句に、眠り方を知らぬうちにどっかに捨ててしまって連夜白夜飛行。心外にも居心地は悪いほうだ。そのまま真っ黒な闇に沈みたくなる。底へそこへ。眠りはひとつの死亡。眠りはひとつの逃避。眠りはひとつの欲求。けれども私は少しでいいからそこに行ってみたい。夢はうろ覚えの神秘への反逆、ただ決して前を向いている。あーあ、
 私は、
 どこへ、
 ゆくのだろか、
 ?

 力強く生きなければな、と思う。