銀河鉄道をかけてゆく

 風が澄んできた、夜は赤い。
 時間の経過は、あっというま。そんな刹那を経由して、フルスピードで時空を駆けてく。快速の秋模様。毎日、気がかりで幸せで、忙しい。とっても時間が足りない。
 金曜の夜は、モスキートでのTG企画へ行った。トップの釧路ザザザからトリのTGまで。全てのバンドそれぞれがそれぞれに音楽という一線のうえで素晴らしいライブを展開していて、すさまじく楽しい企画でした。特筆すべきは全国ツアーで各地から自然と話題を聞く事も近頃多かった、いまをときめくウィナーズ。ようやく観る事が出来た感動も宛ら、旭川で観る事が出来て嬉しかった。言葉のいらないカッコよさを目の前にすると、そこで浮かぶ言葉は一瞬でどこかへ弾け飛んで何の意味をも為さなくなる。ただひとつ言えるのは、最高という一言に尽きる。目下に迫った19日の企画に向け、さらに気合注入。
 めずらしく目覚ましをセットせずに起きた翌日の土曜。昼は家に宿泊した元気印と共に旭川をぶらりドライブ、夜はカジノドライブ。アナザーのライブは素晴らしく良かった。外で久しぶりにワインを飲んで。なんだか私久しぶりに心地好く酔い、ずっとぽやんとしていた。日曜は、元気印と共におもむろに家具屋めぐり。のちにTGミウミウも合流して、ユニクロで元気印プロデュースを決行。ミリタリーをテーマに散々いじくり、元気印が銀河鉄道の鉄郎ルックとなる。結果、ほぼ全身にわたるコーディネートを自腹お買い上げで、我々大満足。楽しそうなことを嗅ぎ付けるのは天下一品とみた大西さんとタケちゃんも合流し、タイヤキを食べながら皆で談笑、夕方、元気印は釧路へと帰ってゆきました。ゆるく楽しい、充実の休日。日曜日らしい、日曜日。
 何かをやり続けていれば、拘りのひとつくらい生まれるのかもしれない。念のため、自分以外の誰かが言ってるのは特に気にならないので、決して批判じゃなくて極めて個人的なことではありますが、私の場合は「雑食」と「なんでも屋」と名乗ることがとても好きではありません。我を顧みてみれば、曲げられないことは多々あれど割と何でも受け入れてると思いますし、よっぽど雑食と言われてもおかしくはないほう、かもしれない。増してや、ディストロにしてもバンドにしても文章にしてもデザインにしても最近でいえばDJに似たようなこともやってはいるから、何でもやる、と言ってしまえば、何でもやる。それでも、私自身はその名称ひとつで決して片付けたくないという思いがある。雑にしたくないのもそうだし、何でもやれると何でも出来るは似て非なるものでしょう。それに、なんだか好きなことやモノの、ひとつひとつに丁寧な感じがしなくって。気持ちとしては、自己満足でアレもコレも手を付けるより、ひとつひとつ丁寧にまっすぐに向き合ってゆきたい。謙遜でも何でもなく紛れもない生来の不器用さで、ひとつひとつがとてもパーフェクトではない、という自負も込めて。だから、あこがれ故なのもあるのかな。何でも屋と名乗るよりも、やってること全部をああだこうだ並べて言った方がまだ私の性に合う。あくまでも、ただの名称に過ぎないことではあるけれどもね。
 そういえば以前、ある友達が遠くに足を運んだ際、その地に住む所謂共通の友達に、ナツは元気ですか?と尋ねられ、友達が「ナツはナツをやってるよ」と言っていましたよ、と後になって遠くに住む共通の友達伝手に聞いたことがある。その時は妙に笑えたけれど、きっと、それが全てでしょう。そう言ってくれるひとや、それできちんと伝わるひとたちが私の周りにいるのは、とても有り難いことでもあり。
 話を繋げてしまうと。今度のTGとの合同企画は総勢8バンドという我ながら驚きの一挙集結ですが、ひとつひとつ、どれも見逃すことの出来ない素晴らしい音楽です。もちろん私自身ひとつひとつの音楽に対し、それぞれ思い入れも感謝の気持ちもたくさんある。でも、それを今言葉にすると、とてもキリがないから、当日モスキートで。是非、観に来て欲しい。
 ずっと、楽しみにしていたの。だからこの日を迎えるのは、こわくもある。でもそんな不安も、楽しみだからこその、余波であるのかもしれない。
 いよいよ、つぎの日曜日。待っています。