見殺しの11月

 初雪が降る数日前は心なしかなぜか少し風がやらかく感じる、そんな自然の巧拙な飴と鞭を全くいじらしく思う。なんにせよもう冬。冬は好きだけども、寒さがまだ体に馴染まず全身引きつるようだ。冬ってこんなに寒かったけかと毎年のように。寒い。
 10月からNHKでやってる「ドキュメント72時間」という番組が面白い。あるひとつの場所の72時間を追い続け、そこで起きるいろんな人間模様を見るという趣向の番組で、どんな内容でも毎回興味深く見てる。元々ドキュメントものは結構好きな方なんだけども、それでも4年前くらいまでドキュメントはなぜか苦手で見れなかった。その頃はその頃なりに現実を見つめるということに目を背けたかったのかもしれない。現在は逆にさまざまな現実を知りたいと思うようになった。その変化を私はちょっとは成長したと捕らえていいのかどうかよくわかんない。まあ、そんなことはどうでもいいけど。
 それから先日チャップリンの「独裁者」を見た。気がつけば、チャップリンの作品はずいぶん前に授業でいくつか見る機会があったが「独裁者」(asin:B00005FXK1)をちゃんと見るのははじめてだった。チャーミングでありながら時折迫真の表情を浮かべるチャップリンの姿はさすが喜劇王だとしか言い様がなく、何度も何度もハッとさせられた。最後の演説シーンも然り。あれをあの時代にやってるから本当に凄いということなんて、何もここで書くまでも無い事だけども、やはりそう思う。
 明日はmelt banana(from東京、であってfrom世界)を観に電気猫に遊びに行く。楽しみ。