当たり前の事なんてひとつもない

 あぁそもそも雨上がりで濡れた階段がああ滑りやすいなんてこと、頭の片隅にはあったとしても死角に放り投げられてておかしくはない。使わなかった知識を使えない知識に変えて、階段の5段目から落ちた、のは紛れもなく私だ、そこで左足首と右脇腹を強打したのも全く歪まない事実。恐らくただの打撲。痛い。痛いんだよなあ。参った。まあ頭も打たず骨も折れずに済んだのは幸いだったと思う。しかし、ようやく腰痛も治ってきたというのに今度は脇腹か、、ということで、自転車に乗れないまま、這い蹲ってる。
 ここ数日の寝不足と疲れが溜まってたというのもあり久々に惰眠を貪る。が、来週の市長選の選挙カーの喧騒で目が覚める。喧騒撒き散り散らして掴むものは権力か、冗談じゃない。
 「自分の領域くらい自分で守れ」
 というのは、最近常々思うことだ。詳細は長くなるので割愛することにする。気が向いたらそのうち書こう。
 この季節になれば、あちらこちらでナナカマドを見る。私はナナカマドが物凄く嫌いなんだ。物心つく以前からそうなので理由はよくわからんのだけど。あの赤い実がコンクリートに落ちているのを見るだけで吐き気すらしてしまう。もしあれに追い込まれるんなら死んだ方がマシだ。市を象徴する木だろうが、嫌いなものは嫌いだ。だけどもこの季節になれば外歩いてると嫌でも見てしまう。胸がムカムカするほどこびり付く残像。あの赤い実。あのナナカマド。調子を狂わせる、狂わせてんのか。狂わせるな。
 日々生きてく中で垣間見る、様々な狂信する人の僅少の理性だとか、ただの怠惰を善に正当化して擦り付けるその狡さにしても。まあいいんじゃないの、と思いながらも、思う余裕を持ちながらも、それに時々本気でうんざりしてしまう、私も私だ。