九月の啓蟄

 ときどき自分だけ時間が経過していないような錯覚に陥る。けれども周りには明白にきっちりと時間は経過しているし、髪の毛だって伸びている。そもそも自分に時間が経過している感覚があったのかどうかもよくわからない。最近は秋の風。肌寒いがようやく心地よい。さて、私はそろそろ啓蟄だ。
 最近は相変わらず本も読んでるし映画も結構見てる。この前BSで劇団、本谷有希子の「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」が放送されていたので見た。原作の小説(ISBN:4062129981)は以前に読んで正直期待負けした感じだったけど、演劇として見ると結構面白かった。演出がいい。憎しみと自意識過剰さと自己顕示、そして蓄積。女の滑稽で痛々しい部分がよく表現されてた。作り手が女だから表現できたかもしれない。映画化するけど期待はしてない。
 あとは吉田修一「パレード」(ISBN:4344405153)を読んだ。救い様がないリアルな日常の恐ろしさ。ひとつの空間を共有し同居する5人にはなかなか脱することのできないひとつの円で囲まれているような感じがした。そこから脱したくない奴、脱せない奴、脱しても脱しなくともどうでもいい奴、脱しようとして道を間違う奴。最後の部分は少し違うかもしれないが個人的にポツドールの作風を思い浮かんだ。
 それから「亀は意外と早く泳ぐ」(asin:B000A16D3C)も見た。ギリヤークさんが隣人役として出演しているらしく、それを知らなかったら多分見てなかったとは思うが、見てみたらツボにはまったというか、単純に面白かった。案外こういったバカっぽい感じの映画は何気に好きだ。他にもいろいろと映画見た気がするけどほとんど忘れた。
 そういえば最近BURN TO SHINEが久々にまた見たくなってDC編もシカゴ編も震え上がりながら、まさに再燃してるのだけど、ふと気が付けば第3弾(ポートランド編)が最近出たんですね。不覚にも今更知った、、早急に買わねば。